2016年11月14日月曜日

心のリフレクター(子供祝福式のメッセージ)(吉村博明)

子供祝福式のメッセージ 
吉村博明 (フィンランド・ルター派福音協会宣教師、神学博士)


2016年11月13日主日礼拝の子供祝福式のメッセージ
「心のリフレクター」
フィンランド・ルター派福音協会宣教師
神学博士・吉村博明




みなさん、これは何だかわかりますか?これは、リフレクターといって、暗い時にこれに光が当たると反射してキラキラ光ります。これはどんな時に使うものか知っていますか?例えば、暗い時に外を歩く時、コートやジャンバーの袖にでもつけておくと、自動車が近づいて来てライトの光がこれに当たると光るので、自動車の運転手はすぐ前に人が歩いていることがわかります。



リフレクターは、フィンランドのような北に位置する国の冬によく使われます。北の国は、夏は白夜と言って、ほとんど一日中明るく夜も暗くなりませんが、冬になると逆で、ヨハンナやエッサイが住んでいたトゥルクという町では、朝は10時位にやっと明るくなって、午後はもう2時か3時には日は暮れてしまいます。それで、朝学校に行く時も、午後家に帰る時も夜と同じくらいに暗い中を行かなければなりません。学校に通う子供たちはみんなリフレクターをつけます。カバンにつける子もいるし、コートにつける子もいます。両方につける子もいます。これをつけるのは交通安全のためなのです。

ところで、リフレクターにはこのような私たちが手に取ることのできるものと、手には取れない、私たちの目には見えないリフレクターもあります。見えないリフレクターはどんなリフレクターで、誰が持てるかと言うと、それはイエス様を救い主と信じて洗礼を受けた人が持てます。それはその人の心の中にあるので私たちの目には見えないし、手に取ることもできません。その不思議なリフレクターは自動車の光を反射するのではなくて、天の神さまの栄光を反射します。神さまの栄光の光を受けて、このリフレクターがピカッと光ると、神さまは、ああ、あそこにイエスを信じる者がいるな、とわかります。普通のリフレクターが私たちを交通事故から守るように、神さまの栄光を反射するリフレクターは私たちを交通事故だけでなく、いろんな危険から守ってくれます。

それで、イエス様を救い主と信じる人が神様の栄光を反射すると、その人は、神さまに感謝の気持ちで一杯になります。神さまがしっかり見守って下さることを知っているからです。感謝の気持ちで一杯になると、今度は、神さまがしなさいと言っていること、例えば、まわりに困っている人がいたら助けてあげたり、まわりの人たちと仲よくしたり、お父さんやお母さんの言うことをよく聞くようになります。また神さまがしてはいけないと言っていることはしなくなります。例えば、人のものをとったり、うそをついたりしないようになります。

このように、イエス様を救い主と信じて洗礼を受けると、神さまの栄光を反射するリフレクターがもらえて、神さまに守られるようになって、神さまに感謝の気持ちで一杯になって、神さまがそうしなさいと言うことをちゃんとして、してはいけないと言うことはしなくなります。

ところが、私たちが間違ったことをしてしまったらどうなるでしょうか?困っている人を助けてあげなかったり、お父さんお母さんの言うことを聞かなかったり、うそをついてしまったら、心のリフレクターは光っていないのでしょうか?もし、普通のリフレクターが間違ってコートのポケットの中やかばんの中に入ったままだったら、どうなるでしょうか?それで暗い外を歩いたら、自動車の運転手は子供が歩いているのに気がつかないでしょう。とても危ないです。私たちが間違ったことをするのも同じで、その時は心のリフレクターはどこかに隠れてしまったのです。神さまが栄光の光を差し出しても反射しないので、その人は暗闇の中です。だからとても危ないのです。

どうしたら、隠れてしまったリフレクターが見つかるでしょうか?それは、私たちが間違ったことをしてしまったとわかって、それを神さまにゆるして下さい、イエス様を救い主と信じるのでゆるして下さい、とお祈りします。そうすると神さまはゆるして下さり、リフレクターもまた出てきて、神さまの栄光を反射させてくれます。そして、私たちはまた神さまに見守られて大丈夫になります。

この神さまの栄光を反射する心のリフレクターは洗礼を受けた人なら誰でも持つことが出来ます。赤ちゃんでも持つことが出来ます。そう言うと皆さんは、あれっ、赤ちゃんって感謝の気持ちを持つかなぁ、イエス様を救い主と信じるって言えないんじゃないかなぁ、と思うかも知れません。でも、お父さんやお母さんがイエス様を救い主と信じて心のリフレクターを持っていれば大丈夫です。神さまは大人だけでなく赤ちゃんも守ってあげたいと思っているので、赤ちゃんにもリフレクターを下さいます。赤ちゃんは、ピカッと光るお父さんとお母さんに抱っこされているので大丈夫です。赤ちゃんが少しずつ大きくなって子供になっていくと、今度はお父さんやお母さんが神さまに感謝の気持ちでいることが伝わってきます。そして、しなければいけないこと、してはいけないこともわかるようになります。そのようにして、お父さんやお母さんの抱っこから離れるようになっても、神さまの栄光を一人で反射できるようになっていきます。もし、リフレクターがどこかに隠れてみえなくなってしまっても、イエス様を救い主と信じます、神さま助けて下さい、とお祈りすれば、必ず出て来ます。


イエス様は、信じる人たちのことを「あなたたちは世の光である」と言いました(マタイ福音書514節)。それは、信じる人たちが皆、このリフレクターを持って、神さまの栄光を反射しているからです。みなさんも、心のリフレクターを持っていることを忘れないようにして、神さまに感謝の気持ちも忘れないようにして、神さまの言うことをよく聞きましょう。まだこのリフレクターを持っていないお友だちは、お父さんやお母さんに早く持てるようになりたいです、と話してみましょう。アーメン。